Red Dragon
「さて!」
貴羅が立ち上がる。
「どした?」
私は座っているので必然的に貴羅を見上げる形になる。
「その辺見回りついでに散歩しよっか」と言って手を差し出した。
「呑気だな」そう言って手をとる私。
外に出ようと倉庫内を歩いていると「出掛けるんですか?」と維世に声をかけられた。
「ちょっと見回りしてくる」
すると維世の横にいた律が「2人でデートかぁ〜」
なんて言うから、つい睨んでしまった。
律は「怖い〜」って言いながら維世の背中に隠れる。律の小さい体は維世の背中にすっぽり隠れた。
維世はそのやり取りを見て苦笑いしながら
「行ってらっしゃい、気をつけてくださいね」
と言って見送ってくれた。