Red Dragon
後ろから
「お疲れさま」
と声をかけてきたので「おぅ」と返事を返して少女に近寄る。
「大丈夫か?」
「はい」と小さな声で返事が返ってきた。
顔にかかっている髪をどかすと頬が真っ赤に腫れあがっていた。
「貴羅、行くぞ」
貴羅に目で合図をしながら立ち上がり歩き出す。
合図された本人はキョトンとした顔をしていたが、しばらくしてニヤリと笑い
「了〜解!」
と言って少女の手をとり立ち上がった。
「えっ!?」
手を引かれ歩く少女はどうしていいのかわからず前を歩く背中と手を引く男を交互に何度も見ている。
「大丈夫だよ、うちのお姫様が君のことが心配なんだって!手当てするだけだから」
視線に気付いた貴羅が私の代わりに今の状況を説明していた。