Red Dragon
「こんばんは、百瀬さん」
困惑気味に百瀬さんが声をかけたのに対し、維世は明らかに作り笑顔で挨拶をした。
「「?」」
私は貴羅と顔をみあわせ首を傾げた。
百瀬さんの手当てを維世に任せ二階にあがる。
扉を閉めて私はソファーに座り、貴羅は窓際に立ち窓を開けタバコに火をつけた。
「維世って学校ではあんな感じなのかな?」
既に暗くなりつつある空に煙を吐き出し貴羅が言った。
「……さぁな」
冷たいなぁ〜と言いながら灰皿にタバコを押し付け窓を閉める。