Red Dragon




屋上に来て1時間くらい経った頃、

ガチャ……ギギィ…


「やっぱりここにいた〜♪」

重そうな音と共にニコニコ笑いながら律が屋上に現れた。


「はいっ!ユキちゃん先生の奢り♪」


手には4本の缶ジュース。




「で?何だって?」

風が吹く。

缶ジュースを片手に髪をかきあげながら聞くと
フェンスにもたれ掛かってジュースを飲んでいた律が首を傾げた。


「……何が?」


「ユキさん、話したんだろ?」

貴羅と維世も律に視線を動かした。


「ん〜とね、百瀬さん知ってるよね?」


「………同じクラスの百瀬さんか?」


維世が眼鏡をかけ直しながら言う。

「そっ!その百瀬さん♪」

「この間いた娘だよね〜?」


「そ〜そ〜その百瀬さん♪」


うんうんと頷きながら応える律。


「だから何なんだ」


律と視線が合った。



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