Red Dragon


…………
……



一通り維世の説教が終わると、拗ねた律と不貞腐れた夕貴がそっぽを向いたまま並ばされている。


「で?顔は見たことあるんですが……誰ですか?緋音」


貴羅と同じ顔を前にしてもさほど驚いた様子もない維世。

さすが冷静沈着な生徒会長様というのか。


「今日、同じクラスに転校してきた長門 夕貴」

「貴羅とは?」



「…………双子の弟だそうだ」


まじまじと夕貴の顔を見る維世。
律も振り返って睨むように見ている。


「………何か文句あるのか?」

「いえ、別に文句はありませんが……」

「貴羅の弟が緋音に何の用なわけ?」


よっぽどそりが合わないのか喧嘩口調で話す律。


「お前に関係ないだろ?おい龍姫 、何なんだこいつらは」

「はぁ……こいつらも元紅龍華の幹部だ。別に関係ないやつらじゃない」


夕貴は驚いた顔で2人を見比べる。


「幹部?このチビと眼鏡がか?」

「初めまして、長門君?でいいかな?元紅龍華の幹部で早川 維世です。この学校の生徒会長やってるんでよろしくね」


維世の明らかな作り笑顔が怖い。




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