Red Dragon
「百瀬さん、どぉしたんですか?」
ポロポロと涙を溢す瞳がゆっくり開く。
「……早川君?」
「はい」
突然現れたクラスメートに驚いた表情を見せる。
後ろでは「オレもいるよ〜」と律が1人寂しく呟いている
「こんな所に1人でどぉしたんですか?」
何とも言いづらそうに視線を上下させながら維世を見る。
「あのっ………」
「まぁまぁ〜いいじゃん!いらっしゃい、遙ちゃん」
そこになぜか割って入る律は空気が読めないのか
いや、笑ってはいるものの内心怪しんでいるのはわかる。
「律………」
私が呼ぶとチラッとこっちを見て「だって〜」と口を尖らせる。
「いいからお前は黙ってろ」
「はぁ〜い」と返事をして壁に寄りかかった。
「緋音、俺が送ってきますから」
「………わかった」