愛 玩
それからほんの一年くらいで、一般的にあり得ない出来事「しか」ない毎日。
誰にも打ち明けなかった。


自ら引きこもり、もがき、その中でわたしの許せない高い一線の域を越えない限りは黙認した。


お父さんの会社はいとも簡単に赤字まみれになり無くなる。債務は親戚、わたし、友人、知人にまで広がる程の保証人たちが背負う形にしかなり得なかった。



彼らは一家で職を失ったのだ。

もともと親のすねかじりのようにしかしていなかった親子が、世間一般的に再就職先を見つけれる程、世の中甘くもない。



彼らは、お父さんの兄の会社へ一家で出稼ぎに行った。


債務の責任を置いて、
わたしに弟の嫁、娘を置いて…。






< 115 / 168 >

この作品をシェア

pagetop