愛 玩

子供たちだけには心から『当たり前』に動けたわたしの事を察してか、彼は本当に「邪魔」という配慮しかしない。



わたしの楽しみを察して行動するのは皮肉にも上手だった。


子供の行事がある日の朝は必ず子供を『行かない。』と泣かせるのも、わたしが原因だった。



わたしが前日の支度に張り切る事が、『いつものわたし』と違って気に障る。
そりゃ違って『当たり前』だけど、彼には『当たり前』じゃない。



おかしなの表現かと思うが、彼にとってはそうじゃないからわたしは諦めてしまったのだ。
いつも以上にやることが満載で体は疲れているが行事で張り切ってるわたしがいつもと違う存在であることは確かではあった。



いつからかわたしは楽しみも隠す様になった。
子供が泣くより疲れないから変換する。
『いつも』と変わらない自分になる様にこなさなければまた、泣かせてしまう。黙々と楽しさを伝えないようにしているわたしを見て、やっぱり『子供嫌いだ。』と言う彼に何度『あなたが嫌い。』と言えば良かったのか。



そう言われる時が『楽しみの前日』でなければ幾度となく言えたのに。



子供が笑えている事が生活の最低ボーダーラインと思っていたわたしが、それを行う事は、ほとんど無かった。






< 121 / 168 >

この作品をシェア

pagetop