愛 玩
彼を初めから信じていないワケではなかった。

信じる気持ちはいつだってあった。



きっと変われる。
わたしだって変われたもの…。



何度も何度も信じ直してここまで来れた。


でも、裏腹にわたしが成長していく分、彼が子供に戻って行くようにも見えた。


その度に話し合ったり悩んだりするのが、もうばからしく思えていた。




彼は信じがたい行動を頻繁にとったから。
討論すべき時間が勿体無いと思えて仕方なかった。








なら、わたしが気付かないフリしていれば楽だ。



たくさんの喜怒哀楽の中から、わたしは楽を選んだ。
彼との事は楽が一番弱らなくて済んだから…。



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