愛 玩
全て料理が大雑把に大皿でならんでいる。



入るなり挨拶もままならぬまま「座りなさい!座りなさい!」と食事を勧められる。





彼の家族は、一般的な職人堅気なお父さん、中学生と小学生の弟、パートで日中働いているお母さん、そして彼。



男4人がいたら、こんなに食べるのか…と思いつつ、未だ料理中のお母さん。





や、………。


手伝い始めるとお父さんが『なんも、別にいーんだって。』とさっきもどこかで聞いた言葉を言う。


なにがいいのか、またわからなくなりながら圧倒されているわたし。





特に気を使う様子もない彼の家族。



一通りの料理を終えたお母さんが言った。

『ごはん、寿司取ろう、お父さん。』









炊飯器の中には炊きたてのごはんが出来てるはずでさっき、「ピーッ」て…「ピーッ」って…



食費だけでいくらかかるのか等の、簡単な計算もわたしには出来ないくらい


ご馳走を振る舞われ、た…?


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