愛 玩
もうマトモが何かもわからないから、間違えをわたしが正す事も辞め、彼にとっては軍資金は名の通り資金であって仕事の一貫なんだと黙認した。



数ヶ月そんな「仕事」を続けているにも関わらず、必要なお金は家に入れていると豪語さえする。
収支の計算が全く出来ていない。
出ている資金は計算に入ってない勘定の仕方が彼の得意分野で、わたしが計算して見せると、それはおかしいと発言した。



わたしは、彼より出来ない人間でなければならないので、出来る場面があると『俺を馬鹿にしている』と罵しられた。



実際、馬鹿にしたくもなる程だったので、『そこは』鋭い意見ではあるな…と、まぁ内心『バカにした。』


『仕事しないの?』と聞くと決まって『そんなに一緒に居たくないのか』という話にエスカレートし、わたしに浮気相手が居ることになる。






それで納得する。



『浮気をしている。』
その様な彼のお好みの女でなかった事が、彼の反感をも買っていたのだろうか。




お好みでないのならお捨てになっても構いません。
『わたしに、非があるとは思えません。
その様な方がよろしいのなら、お探しになっては如何でしょう。』





と、言いかけては、めんどくさくてやめた。


そのセリフを言ったとしたら、わたしが浮気相手に知恵を借りた言葉だと解釈し暴れるのが予想出来たから…。



わたしから彼を『誘わない』理由も『誰かいるから。』だったし、誘いを拒むのも『誰かいるから。』だった。


男としての価値へのプライドより、居もしない「誰か」に勝つのがもっぱらの目標でイメージトレーニングしていた様だ。



バカバカしい…。

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