☆偽恋人☆
しばらく考えていると、
「どうしたの?無理かしら?」
女の人が心配そうに覗き込んできた。
「嫌だったら代わりに私が――」
「いえっ!大丈夫です!行きます!!」
この人、忙しそうだし。迷惑かけたくない。
何より私が承けた仕事だしね。
途中で投げ出すのは性に合わない。
「では、行ってきます!」
――――具体的な説明を聞いて、いざ!桐谷学園に!という気持ちでドアを開けたら、
「ちょっと待って。あなたの名前をまだ聞いてなかったわ。教えて貰っても良いかしら?」