☆偽恋人☆



しばらく考えていると、





「どうしたの?無理かしら?」





女の人が心配そうに覗き込んできた。





「嫌だったら代わりに私が――」





「いえっ!大丈夫です!行きます!!」




この人、忙しそうだし。迷惑かけたくない。


何より私が承けた仕事だしね。



途中で投げ出すのは性に合わない。






「では、行ってきます!」






――――具体的な説明を聞いて、いざ!桐谷学園に!という気持ちでドアを開けたら、





「ちょっと待って。あなたの名前をまだ聞いてなかったわ。教えて貰っても良いかしら?」



< 12 / 34 >

この作品をシェア

pagetop