ふたりで、生きよう

短いドライブはすぐに終わりがやってきた。


「ほら。着いたぞ」


豪ちゃんは私の家の真横に車を停め、今度はちゃんと私を振り向いて言った。


「あ………」


本当に楽しい時間はすぐに終わりがやって来る。

もっと豪ちゃんと一緒にいたい。

もっと豪ちゃんを見つめてたい。


もちろんそんな子供な気持ちは大人な豪ちゃんに理解されるわけがなく、さっさと車から降ろされてしまった。


「もっとドライブしようよ!」

「ヤダよ。面倒くさい」

「ちぇっ…」


これ以上言っても無駄だと判断した私は大人しく門をくぐった。
しかしある事を思い出し、私は急いで豪ちゃんの車に急いだ。


「豪ちゃん!」

「何だ?忘れ物か?」

「ううん!明日も一緒に帰ろうね!」


それだけ言うと私は豪ちゃんの返事も聞かず家の中に飛び込んだ。
嫌だと言われても私は会いにいくけどね。


明日の放課後、楽しみだな。
私はそればかり考え、ただなんとなく1日を終えた。
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