晴天

「美紗？誰にも言わないよね？」
「ウン！絶対に言わないよ？」
「ヤキモチ焼かないよね？」
「絶対に焼かない！」
サエは、その場に座って、より小さくなって美紗に顔を近づけてきた。私がサエの好きな人を聞くのに、なんだか美紗までドキドキする。
「私ね？」
「うん…」
「古林のこと…」
「え～！！」
サエが言い終わらない間に、教室の隅で、大きな声を張り上げた美紗。
確かに、古林は顔も整ってるし、髪の毛も綺麗に整ってる。でも、あいつは…女遊びが好きなんだけど…それで良いの？
「私ね…古林が美紗に挨拶する時、ちょっと嫉妬したい気分だった」
なんって言えば良いか分からず、その場に立ちつくしたままのサエは、美紗に続ける。
「それでも、友達でいてくれる？」
「もっちろん！」
少し悲しそうな顔をしていた美紗の顔が、一気に笑顔に戻り教室の隅ではしゃいでいた。

チャイムが鳴り、教室で騒ぎまわっていた美紗とサエは、自分の席について、お互い古林和真を意識していた。
そんな中、担任が教室に入ってきて、誰も聞いていない長い話が始まった。でも、今日の私はチョット違う。真面目に先生の話を聞くことにした。
話の内容は、「放置自転車が多くなっているそうです。皆さんわ放置自転車を出さないように心がけてください。」
心がけなくっても、やんないけど。ッて言いたいけど、ないしん点が下がったら高校いけないからね！
そして、本日２度目のチャイムが鳴り、移動教室の時間になろうとしている。