†龍神の花嫁†
湖につくと兵たちが辺りを確認し、先ほどのソフィアの質問に答えだした。
「姫様は先ほど、どこの国が攻めてきたかと仰いましたがどこだと思いますか?」
「そんな事聞かれても分からないから聞いているのよ…?」
「そうですか…それではお話いたしましょう。
まず、攻めてきたのは隣国のアークボルトです。
何故今頃攻めてきたかは分かりませんが、この国の豊さが目当てなのは確かです。
王や大臣たちは昨日から逃げる準備をしており、今頃はどこか知人の屋敷へと逃げ延びているようです…」
そこまで聞いてソフィアとイリアは唖然とした。
「そ、そんな…
では王は私たち…
いや、民たちを見捨てたのですか?」
いつもは冷静なイリアが声を荒げた。
「私たちも始めは信じられませんでしたが…
どうやらその様です・・・」
「…父様は私にはつらく当たっても民たちには良い王でしたのに…」
ソフィアは信じられないというように目を硬く瞑った。