†龍神の花嫁†

「では私たちはこれからどうすれば良いのですか?もう私たちには逃げるところが…」


「とにかく今は敵に見つからぬよう隠れているしかありません。
夜になれば何か手が打てるはずです。」


今はまだ日が頂へ登ったばかり、まだ下手に動く訳にはいかない。
今動けば敵に見つかってしまうだろう。


そんな中、ソフィアが尋ねた。


「そういえば、民たちは無事なのですか?私たちと同じようにみな戸惑っているのでは?」


「それは分かりませぬ…
しかし、もう町が敵の手に落ちているのは間違いないかと…」


民たちの事が気にかかり尋ねたソフィアだが、
その言葉を聞き気が遠くなった。


この国には何万人とひとが暮らしていると言うのに安否もわからぬとは…


「姫様、ご安心くださいませ。
民たちなら大丈夫でしょう。
それよりも、先ほどからお疲れの様ですし少しお休みください。
何かあれば直ぐにお起こしいたしますので。」


ずっと考え込んでいたソフィアにイリアが声をかけた。
始めは拒んだソフィアだが、頑固なイリアにあきらめ
芝生の上に敷かれた布の上に静かに横になった。


―民たちなら大丈夫。

私が弱気になってどうするの…

必ず助かる……



しばらくすると静かな寝息が聞こえてきた。。。


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