†龍神の花嫁†
「おいッ!!まてッ逃げられると思うなよ!!」


いつの間にか側まで来ていた敵兵たちがソフィアの手首を掴み、切りかかろうと剣を振り上げている。


「…ッ!!イヤッ!!!」


走る事に気をとられていたソフィアは、敵兵たちに手首を掴まれ小さく叫んだ。


もうだめかと恐怖に硬く目を瞑ったとき、誰かがソフィアの上に覆い被さった。


「えっ??」


ソフィアは唖然とした。今、自分が斬りつけられたはず。しかしどこにも痛みは無い。一体どうしたというのか…


ソフィアが考え込んでいると急に体が重くなり、同時に何かヌメリとした生暖かいものが手に付いた。




「チッ……この女邪魔しやがって……」




今、なんて?女??………
まさか、、、




「イ、イリア??」





先ほどまで側にいた侍女に声をかける。
しかし、先ほどまで元気だった侍女イリアはもうどこにもおらず、かわりにもの言わぬ姿となって倒れていた。血があれほど出ていればもう命は助からないだろう。



「そッそんな………嘘でしょう!?」



ソフィアは言葉を失った。


「さぁ、嬢ちゃんどうする?守ってくれるママはもういないぜッ?」


薄気味悪い笑みを浮かべた男たちが迫ってくる。



もうだめだ――




と思った時、誰かがソフィアをかばうように男たちの前に立ちふさがった。



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