この想いを君に… −睦海の高校生活編−
「大丈夫ですか?」

あたしはその子に近付く。

「…うん」

ちらっとあたしを見るとバイクを起こそうとするけれど。

その起こし方だと無理だし。

何より…

転倒した時に多少怪我をしているみたいで力の入れ方が全然ダメだった。

「あたし、起こしますよ」

「えっ、でも!」

あたしはサイドスタンドを立てて車体の右側に入ると少しだけ後ろのボックスに近い位置から車体を持って起こし始めた。

簡単に起こしてみせると奈々は

「さすがむっちゃん」

と拍手してた。
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