この想いを君に… −睦海の高校生活編−
「素敵〜!!」

わざわざお茶まで出してくれた門真さんの奥さんがいつの間にか横でちゃっかり話を聞いていた。

「そんな出会い、羨ましい〜!!」

まるで女子高生のノリに門真さんは頭を抱えていた。

「10年ぶりに再会して数ヶ月で同棲して結婚だなんて…
凄いよね、そーちゃん?」

目をキラキラさせる奥さんに

「真由は…その頭の中が凄いよね、夢で溢れ返ってる」

強烈な一言をお見舞いして、奥さんは悲しそうに俯いた。



…結構、歳が離れてるよな。

奥さんは俺達とさほど変わらない気がした。



「子供は?」

そう聞かれて俯く。

顔が赤くなるのがわかる。

「…3月に妊娠している事がわかりました。
もうすぐ5ヶ月になります」

「わ〜!!!おめでとう!!!」

奥さんが手を叩いて喜ぶ。

「私ももう一回、産みたい!!」

ここぞ、とばかりに奥さんは門真さんを見つめたけど。

「この歳で5人目は結構です」

淡々と答えるので今度は俺が驚くと

「三つ子がいるからね。数は多いんだよ」

と、門真さんは苦笑いをしていた。
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