この想いを君に… −睦海の高校生活編−
「ちょっとぽっくん!!」

翌日、三木さんの怒声が響く。

「どこに入れたのさ?」

どうやら誤配らしい。

あたしは作業しながら心配でチラチラ、と二人を見つめる。

「どこってポストだよ?」

井上さんは何が悪いの?という感じで三木さんに言う。

「どこのポスト?
手前にも奥にもあるの、知ってる?」

その瞬間、井上さんはあっ、という顔をした。

「手前に入れたけど…」

「違う!!」

三木さんはそう言うとクレームの書かれた紙を手に慌てて班から出て行った。

静まり返る班。

「ぽっくん、何をしたの?」

隣の区の町田さんが顔色を変えて井上さんに近付いた。

「速達、違う所に入れたみたい。
でも、ボクは最初に覚えた時にそう教えて貰ったのに」

「うんうん、あそこだね」

町田さんは井上さんから事情を聞く。

「少し前から奥に入れてくれって言ってたんだ。
ただ、それがまたややこしい話で…
まだちゃんと伝わってなかったんだろうね」

やがて三木さんが戻って来て

「話はついたよ。
今度から奥に入れてって」

と言って笑うと

「ごめんなさい」

井上さんは頭を抱えながら謝った。
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