この想いを君に… −睦海の高校生活編−

８．大人の階段

「ママ」

家に帰るともう８時を過ぎていてママや知樹達はもう、ご飯を食べ終わっていた。

「むっちゃん、お帰り」

ママは笑顔であたしを迎え入れてくれたかと思うとすぐにキッチンへ行って準備をしようとしてくれた。

「ママ、ごめん」

真剣な顔をしてあたしが言うからママは立ち止まってあたしを抱きしめて

「どうしたの？」

ママからふんわりとシアの香りがした。

「ごめん、ママ。
前にわがまま言って早く結婚したいとか…
みんなの気持ちとか考えなくてめちゃくちゃ言って」

ママはあたしを見て微笑むと

「あはは、大丈夫よ」

そう言ってあたしを力いっぱい抱きしめてくれた。