この想いを君に… −睦海の高校生活編−
「…恥ずかしいです」

あんな風にみんなから注目されるとさすがに…

あたしは俯いた。

「環!」

窘めるように三木さんは名前を呼んだ。

「ここでは短期バイトの一人だよ」



そう…

あたしが望むのは。

特別扱いは止めて欲しい。

バイクを降りたらただの高校生。

あたしの本当の姿を知ってる人はちやほやしてくる。

塩野さんはそんな風に言ったわけじゃないけど。

でもどこかで他の人とは違う様子で見ている。

あたしが望んでいるのは…



「さっ、仕事始めよう!」

三木さんは笑ってあたしに年賀ハガキを渡した。

あたしも笑って頷く。



こんな風に、あたしの肩書きを気にせずに接してくれる事。
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