【完】不良な君の甘い蜜
とめどなく溢れる大粒の涙がぽろぽろと零れては海面に溶ける。



ミツは私の涙の理由も分からないから、私の肩に手を添えてただ黙りこくっている。



じりじりと白金の太陽が、私達を照らし付けて来ては痛みを与えてくるようだ。



「………ゴメンね、ミツ。でも、思い出してほしくないんだ。」



「え……?」



私は困惑するミツの手を振り払うと、浮輪から脱出した。



浅瀬にミツを一人置いて、しんしんも、まーやんも待つことなく、別荘に帰った。



結局、私は逃げ出したんだ…。
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