【完】不良な君の甘い蜜
そして八年後の春…。



私は、高校生となってこの地に戻って来た。



「八重ー!そんかチョココロネみたいな頭でどげんすっとー?」



東京での生活が長かったからか、熊本弁がやけに懐かしい。



これから居候することでお世話になる従兄弟の広重新治の呼びかけに、私は借りてる部屋の一角でコテを使いながらムッとする。



「オシャレだもん!これが可愛いんだもん!しんしんには一生女心は分からないよ!」



「えー?…んー。」



全くしんしんは、見た目はシュッとしててカッコイイのに、なーんか締まらないんだよね。



細くてスラリとしてて、ビジュアル系バンドにいそうな感じなのに方言で損してるよ。
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