【完】不良な君の甘い蜜



その後は、勢いのまま日比谷家にお邪魔してしまった。



今日はなんだか人が出払ってるみたいで、二人きりの模様。



「なあ八重、心おきなくお前のキャッチャーミットに突っ込んでもよかとやろ?」



「キャ…!?なんつう例え!」



もっとムードのある言い方してよね、もう…。



ツッコミ入れたいのも山々だけど私の唇は、すでにミツのそれに塞がれて言葉が出ない。



だから、一瞬、ミツが真剣な顔をして顔を覗いた時に、一言だけ言った。



「お願いだから優しくしてね?」



ミツは私の言葉に、満面の笑みで答えた。
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