『私』という名の矛盾
~麗奈side~
暑くてじめじめした空気が薄れて、私の好きな秋の季節になる。
私は窓際の席でぬるい風を感じた。
窓から見える校庭では、体育大会のために生徒達は徒競走のタイムを計っている。
(もう、こんな季節か~)
私は窓から目を離して、まだ1時間目の数学の授業を受けるんじゃなくて、聞く事にした。
教壇で先生はベラベラと解説して、クラスメート達はそれをノートに書き留めている。
私も眠い頭を起こして、ノートを書こうと思ったが、昨日友達と呑みすぎて、気持ち悪い。
私は昨日、いや今日の3時くらいまで友達の家で呑んでは騒いでた。
酔っていたせいであまり憶えていないが、男女合わせて8人ぐらいいた。
(あの男の子と盛り上がってヤっちゃったかな~)
そんな事を考えている時、
「成ノ宮さん。問26の答えは何ですか?」
ふと、先生が私の名前を呼んで我に返った。
(げっ。こんなに私が気持ち悪くて死んでる時にこの先公、私に当ててきたよ。)
「えっと...」
私は分からないのと気持ち悪さで返答に困る。
「予習してきていないんですか?」
そうだよ。悪いかバーカ。
っていう言葉を飲み込んで、
「先生、さっきからかなり気持ち悪いので保健室に行ってきます」
私は椅子からヨロヨロと立ち上がり、周りの子たちから「大丈夫?」っていう言葉を浴びて、教室を出た。
あー
ようやく、地獄の数学から抜け出せたー!
保健室で仮眠取って早退しようと、決めて、私は足早に天国である保健室に向かう。
(てか、なんでお酒弱いのに呑んじゃうのかなww)
そんな事を考えながら、保健室に着いた。
「先生~。具合が悪くて寝させてもらいます~」
いつもニコニコしている可愛い林先生の声が返ってこない。
(まぁいっか)
先生が留守中だから、私は勝手にベッドに入って寝る事にした。