ひと呼吸


その週はバイトも
全然入ってなくて

大学は単位も取得できてたから


椎葉さんの事務所と
マンションの往復が続いた。


椎葉さんは、
私のアイディアを基本的に否定しない

私の素人なアイディアに
いつも素敵なお土産を付け足してくれる感じだ


前に言っていた

「僕らは、どれだけ感性を磨くかが仕事だから、
僕が押し付けて
那実ちゃんのアイディアを
壊す権利なんてないんだよ」


私は、まだ厳しい世界を
知らない

だけど、
椎葉さんのその言葉には
凄く救われている





< 46 / 96 >

この作品をシェア

pagetop