ひと呼吸
その週はバイトも
全然入ってなくて
大学は単位も取得できてたから
椎葉さんの事務所と
マンションの往復が続いた。
椎葉さんは、
私のアイディアを基本的に否定しない
私の素人なアイディアに
いつも素敵なお土産を付け足してくれる感じだ
前に言っていた
「僕らは、どれだけ感性を磨くかが仕事だから、
僕が押し付けて
那実ちゃんのアイディアを
壊す権利なんてないんだよ」
私は、まだ厳しい世界を
知らない
だけど、
椎葉さんのその言葉には
凄く救われている