ひと呼吸

イメージが湧き出てきて

それを必死で
スケッチブックに
ぶつけるのを精一杯に繰り返した




椎葉さんは
仕事が忙しいようで
私は邪魔にならないよう

横でスケッチブックに向かった



「なんだか、パパに相手してもらえない大人しい子供みたい」



そう笑いながら、

椎葉さんの奥様が
私と椎葉さんにコーヒーを出してくれた。


「椎葉さんお忙しいし
私も想像するのが
楽しくなっちゃって」


椎葉さんの奥様、
恵美子さんは
椎葉さんと20年下

今年、40才とかで
こないだは嘆いてたけど


40才・・・
見えない・・・


「いいことよ」

恵美子さんも
綺麗な手でマグカップを
抱き抱えていた


「みせて」


「まだ、下手で
恥ずかしいんですけど・・・」


恵美子さんは、
私のスケッチを大事そうに
両手で持ち

じっとスケッチブックを
覗きこんでいた



椎葉さんにまだ
何もアドバイスをもらってなかったから

ドキドキした

椎葉さん以外の人に
初めてみせる自分のイメージ

・・・・


椎葉さんは、
コーヒーをすすりながら

ニタニタしている


・・・・


「こんなイメージが
よく湧き出てくるわ!

私は特に、このパターンが好きよ!
ここに来るのがステイタスになりそうだわ。」



最高の誉め言葉だ!!


「ありがとうございます!!」


恵美子さんは
全てのページを
じっくりみて




「この勉強、もっと、やってみたいと思わない?」

恵美子さんが、
そう言った


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