ひと呼吸



ゆっくりと離れた陵を見上げると
悔しいくらい妖艶で


その親指で私の唇を拭う


離せない・・・
陵から目が離せない・・・



陵の唇がゆっくりと動いて、


「ヘタ」


そう呟いた


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