%短編:侵された体%
すぐに思い出した。
あたしってば、朝練の最中に倒れたんだ。
体中べとべとで気持ち悪い。
「ほんとは、もうちょっと寝かしておこうと思ってたんだけど、
なんか、すっごいうなされてたからさ。
起こしちゃった。ごめんな」
先輩は、申し訳無さそうに頭をかいてる。
「いえ!あたしの方こそ、迷惑かけちゃって。
すみません」
あたしは、ベッドの上で頭を下げた。
あれ?
ふいに、壁にかけられた飾り気のない時計に目がいく。
「やだ。授業始まってるじゃないですか!
ごめんなさい先輩、授業行ってください!」
あたしは申し訳なくて、涙目になる。
あこがれの田口先輩に、授業をさぼらせるなんて、
ほんと、あたしのドジ!