%短編:侵された体%
声の主
「病院?」
「そうよ。大きな病院で調べてもらえば、何かわかるかもしれないわ」
学校を休み始めて1週間。
ママが心配するのも無理はない。
けれど、あたしは部屋から出るのが怖かった。
病院にだって、刃物は置いてあるだろう。
ううん、その前に、病院に行く途中で事故に会わされるかもしれない。
大体、あたしの言うことなんて、誰も信じてくれないじゃない。
断ろうと思ったその時、
ふと今まで危険な目に合った時の共通点に思いあたった。
私の体が言う事を聞かなくなるのは、まるで狙いすましたかのように、
決まってあたしが一人のときだ。
そのせいもあって、ママもあたしの言葉を信じてはくれない。
ひょっとして、ママと一緒なら平気?