%短編:侵された体%
入学した次の日に、運動場で見かけた先輩。
凄くさわやかで、テニスが上手で。
みんなの人気者だった。
告白する勇気なんてなかったから、
ただ、先輩の姿を、
笑っている横顔を、
テニスをしている真剣な表情を。
遠くから見ているだけで、よかった。
同じテニス部なら、もっと長く先輩を眺めていられると思って、
入部届けを出したのに。
会うこともできなくなるなんて。
あたしの人生は真っ暗だ。