%短編:侵された体%
ニャ~。
ミミが銀色の長い毛をあたしの足にすりながら、回転する。
あたしがまだ8歳の時に拾った捨て猫のミミは、人間で言えばもう立派なおじちゃんだ。
それでも、毎朝あたしのベッドにもぐりこんでくる。
あたしも一緒に遊んでたいケド。
「よしよし。
今日は、遊ぶ暇ないの。帰ってからね」
ミミの体を撫でながら、
あたしは、ふと自分の手が震えているのに気づいた。
小刻みな振動。
まるで何かに怯えるような。
なんだろう。へんなの。