%短編:侵された体%
そうだ、そうだった。
あたしは、暗闇の中、全てをはっきりと思い出した。
あの声は、最近聞こえ始めたものじゃない。
小さい頃は、時々、あたしと会話していたんだ。
あるときは、遊び相手。
あるときは、年長者のように。
誰?
あなたは、誰なの?
あたしは、自分の体の内側に向かって話しかける。
『もう知っているはずでしょ?』
そうだ。
あたしは、彼女が誰か、知っている。
そう。
彼女は・・・。