%短編:侵された体%
声の…
目に入る光が、私の体を覚醒させた。
「目が覚めた?」
「マ、マ?」
「ゆりちゃん!良かった!!」
ママの瞳から大粒の涙がぽたぽたと零れ落ちて、床をぬらした。
「手術、成功したんだね?」
ママはハンカチを口元にあて、何度も頷く。
「どうしたの?何か、悲しいことがあったの?
ひょっとして、何か重い病気だったの?」
「ううん。違うのよ。
あのね、ちゃんと話すから、落ち着いて聞いてくれる?」
ママは、先生から聞いた話を、声を詰まらせながら語ってくれた。
それは、とても信じられないような、奇妙な話だった--。