%短編:侵された体%
「何言ってんの!
あんたたちは、先輩を振り向かせるために努力した?
何もしてないでしょ!」
「そっかぁ。ゆりは、ちゃんと自分の口で告白したんだもんねぇ」
「そうだよ。見てるだけで文句言うなんて、甘~い!
好きなら努力しなくちゃ!」
「ん?何が努力だって?」
「た、田口先輩!
なんでもないです!」
スポーツドリンク片手に、私たちの会話の中に割って入ってきた先輩に、
みんなは急に静かになった。
「さて、じゃあ帰るか。
ゆり、一緒に行く?」
背中越しに女の先輩たちの嫉妬の気配を感じたけど、
なんてことはない。
優越感の方が、はるかに気持ちいいから。