%短編:侵された体%
「長崎!長崎っ!!」
誰かに激しく体を揺すられて、あたしは目を開いた。
「おい、長崎!大丈夫か?」
「え、
田口先輩?」
目の前には、男子テニス部のキャプテン。
人望の厚い、田口先輩。
え?ここ、どこ?
状況がつかめず、辺りを見渡すと、白いカーテンと、窓が目に入る。
その奥には、体重計と身長計が隠すように置いてある。
ここ、保健室?
ベッドに寝ている自分の体をゆっくり起こすと、
視界がクリアになった。
「びっくりしたよ。急に倒れたからさ」
「そっか。あたし、練習中に意識が遠くなって」