女心と秋の空〜ツンデレ彼女の涙の秘密〜

あれっ?

よく見ると、雪村の顔も少し赤くね?


「何か、顔赤いよ」

「ばっ……そんなわけないし」

「いや、マジで赤いって」

「うるさいっ!!」


キーン……。

鼓膜まで届いた雪村の声に揺れる頭。

妙に怪しい態度に首を傾げる。

大体、雪村は何に赤くなってんだ?

オレ、何か言ったっけ?

えーと……。
えーと、えーと……。


「あっ!!」

「何よ?」


さっき雨が止んだって言った時の雪村、妙にどもっていたことを特に気にはしていなかったけど、もしかしてもしかしてよ?


「照れ隠し?」

「違うっ!!」


って言いつつみるみる赤くなる顔に、


「プッ!!」


思わず吹き出してしまった。

優しいだなんて言葉に照れて、だけどそれを必死で隠してる雪村。

そんな姿が可愛いなぁ……なんて思うオレ。


「何笑ってんのよ。ほらっ、傘返して?」


そうと分かればぶっきらぼうな言い方でも可愛く思えて仕方なくて、傘を閉じて雪村に返しながら、また雨が降り出さないかと願っていた。



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