女心と秋の空〜ツンデレ彼女の涙の秘密〜
……で、翌日からは隣に座る雪村との楽しい日々が始まる予定だった。
と言っても雪村に片思いのオレが、ただ隣から眺めて幸せを感じるってだけなんだけど。
けどよ?
予鈴が鳴る前にオレのクラスにやってきた孝允に廊下へと連れ出され、昨日の件について問い詰められあっさり白状する。
「……やっぱ好きみたいなんだよな」
昨日の出来事を話してオレの気持ちを伝えると、
「やっぱ雪村って最高だわ」
孝允は大声をあげて笑いだした。
昨日の今日でちょっぴり雪村と会うのにドキドキしていたオレは、
うん、まぁ、そうかもしれない……なんて軽く相づちをうっていると、
「おはよ、私が何?」
急に後ろから聞こえた声に体が強ばる。
それは孝允も同じみたいで、
「な、何でもないよ。おはよ、舞」
「ふーん」
怪しげにどもりながら答えた孝允にさほど関心も向けず、雪村はさっさと教室に入っていった。