白と青の境界線
静かな室内に響き渡るチーフパーサーの声。
厳かな雰囲気で行われるテーブルを数名のクルー(CA)で囲んでのプリブリーフィングは、私たちが幾つもの尊い命を預かっているのだと毎回のことながら認識させられ緊張が高まる。
そこではフライト前の健康状態やID携行やスケジュールの確認、チーフパーサーから各々の担当ポジションが言い渡され、そして今日のフライトが始まる。
うだうだと考える暇もないぐらい忙しい仕事は、私にとっては最適だ。
客室部を出て手荷物検査を受け、乗務する飛行機に搭乗する。
すぐにプリフライトチェックに入り、持ち場のドアや酸素ボトル、非常用具に救急箱、消火器などの位置や状態を確認して万一に備える。
慌ただしく過ぎる時間。
それが今の私を保つ為に必要不可欠なものとなるには時間はかからなかった。