白と青の境界線
囚われる過去
とぼとぼと重い足取りで帰る通学路は、今までに感じたことのないぐらい家が遠くて、目に映る世界は灰色に見えた。
これは涙?
それとも雨?
入り交じった雫がポタポタと落ちてゆく。
この日の天気予報は晴れで、まさか雨が降るだなんて思いもしなくて。
そして、こんなことが自分の身にふりかかるだなんて微塵も思っていなかった。
途中見つけた友達を前に、隠れるように回り道をして帰った私。
何の前振りもなく起こった出来事が、私を変えてゆく――。