白と青の境界線
そんな願いが通じたのかその男性はこちらの顔を見ることもなく、「ホットコーヒー二つね」と頼むと再び書類について話し始めた。
一気に肩の力も抜け、落ち着きを取り戻してゆく。
すばやく入れたホットコーヒーを手渡すと、なるべく自然にさり気なく次のお客様へと向かった。
当たり前のことがこんなに難しく感じるなんて、私はいつまで過去に囚われているのだろう。
バカだ。
どうしようもなく。
すべてのお客様へとドリンクサービスを終えた私は一先ず安堵に苦笑するほかなく、カートを直しにギャレーへと戻っていった。