白と青の境界線
「何? 伶耶知り合い?」
「地元の同級なんだよ。な?」
ゆっくりと振り返った視線の先に、私を捉える二つの視線。
通路側のシートに座り、私に話しかける彼。
「かなり久しぶりだよな? お前地元の集まりとかにも全然顔出さないしさ」
若次伶耶。
そう……やっぱり……。
小学校の時、一番仲がよかった男の子。
整った顔立ちで明るい性格の彼は、常にクラスの人気者だった。
「あ、これ俺の名刺。連絡先書いてるから、仕事終わったら連絡して」
あの頃と変わらず私に接する彼……伶耶に、私は上手く顔をコントロールできない。
ひきつる筋肉が歪んだ笑顔を浮かべる。