白と青の境界線
伶耶はあの出来事を知らない。
小学生の時、仲のよかった女の子たちに鬼を押しつけられ、そして置いていかれた私のことを。
だってその子たちは、翌日何食わぬ顔で私に接してきたから。
置いていったことには何一つ触れず。
いつも通りに友達を演じていたから私も何も言えなくなって、そして本当に何であんなことをしたのかさえ分からないまま。
これといったいじめもなく。
あの出来事は夢だったかのように接する友達。
だから、私も忘れようとした。
心に傷を負ったまま誰にも言わず、むしろそんな事実があったのだと知られたくなくて誰にも言えないまま。
そして小学校を卒業した。