白と青の境界線
「麻央ーっ!! おっはよー」
「朝から元気だね……日向は」
ロッカーに着替えにやってきた日向は、名前負けしないほどの明るい笑顔を浮かべて私の元に近づいてくる。
一つ下の彼女はなぜか私に懐き、まるで犬のように尻尾を振って着いてくるんだけど、こんな私に懐く日向が不思議で仕方ない。
「今日は関空ステイなんだよねー。麻央は?」
「ん、久々に一緒みたいだね」
喜ぶ日向を横目に、私も同調しているフリをする。
いつも笑顔で私に懐いて慕ってくる日向。
なのに、その笑顔の裏で何を考えているか分からない、いつ手の平を翻すか分からない……そんなことを考えてしまう。