白と青の境界線
どうしてあの時、あんなにも感情的になったのだろう。
何でいつもみたいにうまく切り返せなかったのだろう。
「麻央悪い、遅くなってごめんな」
それは今も痛むこの胸が知っているのだろうか……。
それでも日向と同じ笑顔を浮かべる。
「ううん、大丈夫」
伶耶たちと合流した私たちは、彼らの案内で近くの小洒落た店へと入っていく。
予想はしていたものの日向は私の隣で、圧迫された息苦しささえ感じる。
できることなら来たくなかった。
誰にも気付かれないようにため息を吐いて思う。
折りを見て抜け出そうと。
「かんぱーい!!」
とりあえずは幹事という立場から、場の雰囲気を下げないようにいつも通りに振る舞う。
そんなこと容易い。