白と青の境界線

裏切られるのが怖いから。

信じて、そして傷つけられるのが怖いから。

線を引いてた……。

誰ともそれなりに適当な関係で、そうすれば自分が傷つかないから。


私は弱いから、逃げてただけだ。


「俺と二人の時にね、日向ちゃん言ったんだよね。麻央ちゃんのこと本当に憧れてて、いつか自分も麻央ちゃんみたいなCAになりたいって」

「日向、が……?」


私の何を見てそんなことを言うんだろう。

だけど、苦しい反面嬉しい。

いいかげん認めないといけない。


私がどんなにそっけない態度をとっても。

私がどんなにそっけない言葉を吐いても。

それでも日向はずっと私の傍にいた。


彼女自身が私の愚痴を言っているのを聞いたことがない。



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