白と青の境界線
前を見れば伶耶に連れられて歩いてくる日向がいて、ポンッと軽く背中を押される。
視線も合わせてくれない日向は、地面をジッと見ている。
「じゃあ、俺らはここで」
「ちょっと昌浩どういうことなんだよ?」
「いーから、戻るぞ」
二人がいなくなり、日向と二人きり。
何て言葉をかけていいのか、そんなことも久しぶり過ぎて忘れた。
だけど、今言わないと後悔する。
それだけは分かっていた。
夜の闇は風で流れた雲から顔を出した月によって照らされる。
静かに、ゆっくりと。