白と青の境界線
「何で分からないのかなー。麻央ってすっごく優しくて素敵な女性なのに!!」
「……私、が?」
「そうだよ!」
一瞬戸惑ってしまったけれどすぐに我に返り、頭の中に現れた思考を拭いさると、ため息を吐いて心を落ち着かせて思う……。
何を見てそんなことを言うのだろう、と。
いつの頃からか、私は自分から見ても酷い有様だ。
静かに鼻で笑い、再び息を吐く。
「買い被りすぎよ」
明るい笑顔が曇って行く様に気付かないフリをして、ロッカーに鍵をしてプリブリーフィングへと向かう。
後からやってきた日向はさっきのことなんかなかったかのように、またいつもの元気を取り戻して私に話し掛けてきた。