置いて行かれた。
裏切られた。
あんなにも辛い思いはもうしたくない——
そんな過去のトラウマから人を信じられなくなった主人公。
拒否して、頑なに自分の殻に閉じこもって。
だけど——本当は誰よりも心は追いかけていた。
——誰かを。
傷付いて動き出せないけれど、求める物は動き出さないと手に入らない。
勇気を出して一歩。
それで傷付くこともあるかもしれない。だけど——どこかにきっと求める物があるはず。
気付けないのはもったいない。拒否してしまうのはもったいないほどのものが周りには溢れているかもしれない。
そんな希望を感じる作品でした。
傷付かないで動かないことは、誰よりも自分で自分を傷つけているのかも。
読後、清々しい気持ちにさせてくれる作品でした。